こんにちは、つなぐ感染対策支援室の横山です。
梅雨の中休みが続き、ジリジリと夏の暑さを感じる日々の香川県です。
先日、1歳半の子どもの保育参観がありました。
ついこの間まで赤ちゃんだった娘が保育士さんと楽しそうに遊んでいる風景に非常に幸せな気持ちに包まれました。
さて今日は先週金曜日に発表された香川県感染症週報から各データ分析のご紹介をします。
医療機関や介護施設、保育施設における感染対策や職員の健康管理にお役立てください。
今週の全体像

2026年第23週(6/1~6/7)の報告患者総数は110人で、前週(128人)の85.9%となり、全体としては減少傾向が見られました。一方で、個別の疾患を見るとヒトメタニューモウイルス(hMPV)感染症が前週から大きく増加しており、注意が必要です。
定点把握感染症の動向

定点把握感染症のうち、今週報告数が多かった上位6疾患(同率含む)をまとめました。「過去10年の平均」と比較することで、季節性として通常の範囲内なのか、例年より多いのかを確認できます。
三大夏風邪の一つである手足口病の増加も注目ですが、ヒトメタニューモウイルスの増加率は著しいレベルと言えます。
今週もっとも注目すべき動向
ヒトメタニューモウイルス感染症(hMPV)が前週比333.3%に増加

今週、定点把握感染症の中で最も大きな変化を示したのは、ヒトメタニューモウイルス感染症(hMPV)です。今週の報告は定点あたり0.8人で、前週(0.2人)の3倍以上となりました。過去10年の同時期の平均は0.1人であり、例年のこの時期と比べてもすでに高い水準にあります。
全数把握感染症(今週届出)

今週は4件の全数把握感染症の届出がありました。いずれも単発の報告ですが、施設の種別によっては早めの情報共有・対応が望まれる疾患です。
腸管出血性大腸菌感染症は食中毒として有名な感染症ですが、罹患者の糞便中に細菌が含まれてるため、罹患者の排泄ケア後は流水と石鹸による丁寧な手洗いが必要となります。
病原微生物検出情報

今週は細菌1検体、ウイルス9検体(同一患者由来を含む)から病原体が検出されました。
今週の気象との関係
第23週の平均気温は22.2℃(過去30年平均22.0℃)、平均湿度は81.9%でした。気温・湿度ともにほぼ平年並みですが、湿度が高い時期に入ってきています。今後さらに気温・湿度が上昇すると、Campylobacter属菌や腸管出血性大腸菌など、食品を介した細菌性感染症のリスクが高まりやすくなります。また、湿度が高い環境はカビ・レジオネラ等の繁殖にもつながりやすいため、空調・給湯設備の管理にも目を向けておくとよい時期です。
施設種別の対応ポイント
急性期病院・診療所
- hMPV・パラインフルエンザ・ライノウイルスなど呼吸器系ウイルスの検出が複数報告されており、入院時・面会時のスクリーニング(発熱・咳の有無)の強化、スタッフの体調管理及び業務中の手指衛生の励行をお勧めします。
介護施設
- おむつ交換・トイレ介助時の手袋交換と手洗い、共用トイレの清掃・消毒手順を再確認。
- 感染性胃腸炎は減少傾向ですが、過去10年平均(6.7人)と比べると引き続き発生しやすい時期。嘔吐物処理キットの配置・使用手順を職員間で再確認。
- 湿度が高くなる時期のため、入浴設備・厨房の清掃状況、食品の温度管理(冷却・保管)を点検。
保育施設・病児保育
- ヘルパンギーナが前週比133.3%、突発性発しんが166.7%と増加傾向。発熱・発疹のある児の登園基準を保護者と再確認。
- hMPV・手足口病・感染性胃腸炎も一定数報告されており、おもちゃ・手すり等の共用部分のは1日1回以上清拭消毒を。
- 嘔吐・下痢症状時の対応(嘔吐物処理、症状のある児の保育スペース分離)を職員間で再シミュレーション。
おわりに
今週の香川県感染症週報では、ヒトメタニューモウイルス感染症の急増(前週比333.3%)をはじめ、結核や腸管出血性大腸菌感染症の届出など、施設によってはすぐに対応が必要な情報が複数含まれていました。
感染症の流行は週ごとに変化します。週報のデータを「読むだけ」で終わらせず、自施設の状況と照らし合わせて「今、何をすべきか」に落とし込むことが、集団感染の予防につながります。
「感染対策のことは気になっているけれど、何から手をつければいいかわからない」
「マニュアルはあるけれど、実態に合っているか自信がない」
「職員への教育をもっと充実させたいが、時間も人手も足りない」
そのようなお悩みを抱えている方は、ぜひ一度つなぐ感染対策支援室にご相談ください。
当室は、急性期医療機関での15年の臨床経験と感染管理認定看護師の専門知識をもとに、医療機関・介護施設・保育施設・歯科診療所など、さまざまな施設の感染対策をサポートしています。「難しい」「堅苦しい」ではなく、現場の実情に寄り添いながら、一緒に考えるスタイルで支援いたします。
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