手足口病が増加中!症状・感染経路・登園の目安を感染管理認定看護師が解説【2026年版】

感染対策

こんにちは。つなぐ感染対策支援室の横山です。

我が家には4月の保育園デビュー戦(慣らし保育)で速攻ヘルパンギーナをもらってきた娘が居まして、つぎの夏風邪は手足口病か咽頭結膜熱(プール熱)をもらってくるのではないかとドキドキしています。

感染対策のプロなら家庭内でも完璧な対策ができているのでしょう、と尊敬なのか煽りなのか判断の付きづらい言葉をかけられることがあります。
私もいろいろ試行錯誤しましたが、ヘルパンギーナのときは多分もらっていたと思います(ノドが辛かった)。
お世話しているときに顔面にくしゃみを浴びるわけで、そら防ぎようがないよね、と思いました。

さてそんな夏風邪の代表選手である手足口病ですが、香川県でも定点あたりの患者数が前週比200%と増加しており、これから夏にかけてさらに広がることが予想されます。

「手足口病って大人にもうつるの?」「いつから登園していいの?」「家族にうつさないためにどうしたらいい?」——今回はそんな疑問にまとめてお答えします。


2026年の流行状況

香川県の状況

2026年第21週(5月18日〜24日)の香川県内の定点あたり患者数は0.3人(前週比200%)と増加しています。絶対数はまだ散発レベルですが、例年6〜8月にピークを迎える感染症であり、まさに流行の立ち上がり期にあたります。

→ 関連記事:[夏風邪の代表選手が早くも流行の兆し ~ヘルパンギーナ~]

全国の傾向

例年5月頃から患者数が増え始め、7月前後にピークを迎えます。コロナ禍以降、流行の前倒し傾向が続いており、今年も早めの動き出しが見られます。西日本から東日本へと広がる傾向があるため、香川県も今後の増加が見込まれます。


手足口病ってどんな病気?症状と経過

  • 病原体:コクサッキーウイルスA群・エンテロウイルス71など複数
  • 好発年齢:5歳以下(特に1〜3歳)
  • 潜伏期間:3〜6日

主な症状

  1. 発熱(38℃前後。高熱になることは比較的少ない)
  2. 口の中の水疱・潰瘍(痛みで食事を嫌がることがある)
  3. 手のひら・足の裏・お尻などに発疹・水疱が出る

ウイルスの型(血清型)が複数あるため、1シーズンに2回かかることもあります。「去年もかかったのに…」というのはよくあることです。

回復の目安

多くは1週間程度で自然に回復します。特効薬(抗ウイルス薬)はなく、対症療法が中心です。口の痛みで食事が摂りづらい場合は、のど越しのよいもの(アイス・ゼリー・冷ましたスープなど)をこまめに。脱水に注意してください。


なぜうつるの?感染経路と注意点

感染経路具体的な場面
接触感染水疱・発疹に触れる、おもちゃ・タオルの共用
飛沫感染(くしゃみや咳で広がる感染)咳・くしゃみ
糞口感染(便を介して口から入る感染)★重要おむつ交換後の手洗い不足、便で汚染された環境

回復後も数週間〜1か月以上、便の中にウイルスが排出され続けます。症状が治まった後も手洗いの習慣を維持することが大切です。

アルコール消毒はエンテロウイルスに対して効果が弱い場合があります。トイレのあとや排泄介助をした後は必ず手洗いをしましょう。
手洗いは石けんと流水で30秒以上が基本です。

手足口病は主に子どもの間で流行する感染症ですが、家庭内感染などにより大人も罹ることがあります。大人が罹った場合は発熱や発疹、倦怠感などの症状が子どもより強く出る場合があります。
子どもの病気と油断せず、家庭内でもできる範囲の感染対策を行うことをお勧めします。


登園・登校の基準

手足口病は学校保健安全法の「出席停止疾患」には指定されていません。そのため「○日休まなければならない」という法的な規定はなく、登園・登校の判断は本人の状態と施設のルールによります。

一般的な登園・登校の目安(3つすべてを満たすこと)

  1. 発熱がなく、全身状態がよい
  2. 口の中の水疱の痛みが落ち着き、食事が普通に摂れている
  3. 発疹・水疱が乾燥・かさぶた状になっている(じゅくじゅくしていない)

「解熱した=登園OK」ではありません。 食事の摂取状況・機嫌・全身状態を総合的に判断してください。施設によって独自の登園基準を設けている場合もありますので、事前に確認しておきましょう。


保育施設・幼稚園でできること

日常的な対策

  1. おむつ交換後・食事前後の手洗い徹底(職員・子どもともに)
  2. 口に入れるおもちゃは使用のたびに洗浄。共用おもちゃは定期的に消毒
  3. タオルの個人持ち化、またはペーパータオルへの切り替え
  4. 発熱・口腔内の痛みを訴える子どもの早期対応と保護者への連絡

患者発生時の追加対策

  1. 高頻度接触面(ドアノブ・手すり・テーブル)の次亜塩素酸ナトリウムによる消毒強化
  2. 保護者への流行状況の周知と登園基準の再確認
  3. クラス・年齢グループをまたいだ接触の制限を検討

施設ごとの環境や規模に応じた対策については、お気軽にご相談ください。当室では保育施設向けの感染対策相談・職員研修も承っています


こんな症状が出たらすぐ受診を

以下の症状があれば、早めに医療機関を受診してください。

  • 高熱が3日以上続く
  • ぐったりして反応が鈍い、意識がもうろうとしている
  • 嘔吐が続く・頭痛が強い(髄膜炎の可能性)
  • 手足がふるえる・けいれんする
  • 水分が全くとれず、おしっこが出ない(脱水)

まれに髄膜炎・脳炎・心筋炎などの重篤な合併症が起こることがあります。「なんとなくいつもと違う」という感覚も大切にしてください。


おわりに

手足口病は多くの場合1週間ほどで回復する感染症ですが、「いつからうつるのか」「いつまで休むのか」という判断は意外と難しいものです。今回まとめた内容が、保護者の方にとっても、保育・医療現場の方にとっても、少しでも判断の助けになれば幸いです。

「施設の感染対策マニュアルを見直したい」「職員向けに研修をお願いしたい」「集団感染が起きてしまった、どう対応すれば?」——そのようなご相談は、つなぐ感染対策支援室にお気軽にご連絡ください。

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