お盆の面会、どう対応する?高齢者施設で感染対策と面会を両立する5つのポイント

感染対策

こんにちは。つなぐ感染対策支援室の横山です。

お盆が近づき、久しぶりに家族が施設を訪れる方も増える時期です。帰省による面会は利用者やご家族にとって大切な時間である一方、感染症の持ち込みリスクが高まる時期でもあります。

「一律に面会を制限すべきか」「どこまで対応すればよいのか」と悩む高齢者施設(介護施設)も多いのではないでしょうか。今回は、感染管理認定看護師の視点から、お盆シーズンの面会対応で押さえておきたいポイントを解説します。

この記事を書くにあたり、私自身の経験にも少し触れさせてください。
コロナ禍のさなか、介護施設に入所していた祖母と長い間面会ができない時期がありました。そしてその後、施設内でクラスターが発生し、祖母もコロナに罹患してしまいました。そのときは何とか持ち堪えたのですが、罹患後は全体的に体調が優れない状態が続き、およそ2ヶ月後に亡くなりました。コロナ療養のために病院へ入院していた間は面会することができたのですが、施設に戻ってからは再び面会できなくなり、結局、最期まで会えないまま祖母を見送ることになりました。

面会を制限すれば安心というわけでもなく、制限しなければ大丈夫というわけでもない。
祖母の経験は、私にそのことを教えてくれました。だからこそ「制限するか、しないか」の二択ではなく、リスクを見極めながら面会という大切な時間を守る工夫が必要だと考えています。

一律の面会制限はおすすめしない理由

感染対策というと「制限すること」がゴールになりがちですが、面会には利用者の心身の安定やご家族の安心感を支える大切な役割があります。

一律に面会を禁止・制限してしまうと、かえって利用者の食欲低下や意欲低下、ご家族の不安増大につながることもあります。感染対策は「制限」ではなく「リスクを下げながら面会を継続する工夫」と捉えることが大切です。

未就学児の面会はどう考える?

未就学のお子さんは、感染症にかかっていても症状が軽く見過ごされやすく、マスク着用などの対策が難しいという特徴があります。そのため、基本的には面会を控えていただくことをお勧めしています。

ただし、利用者やご家族の強い希望がある場合や、看取り期など特別な事情がある場合は、一律に断るのではなく柔軟に対応することも大切です。その際は、

  • 面会場所を個室以外(談話室や屋外、面会専用スペースなど)に設定する
  • 面会後は1週間程度、利用者の体調変化(発熱・咳・下痢など)を注意深く観察する

といった代替案を用意しておくと、ご家族の希望に寄り添いながらリスクを抑えることができます。
1週間という期間は、インフルエンザやRSウイルスなど主な感染症の潜伏期間(おおむね1〜8日程度)をカバーできる目安です。胃腸炎症状に絞って考える場合は3日程度でも一定の目安になりますが、呼吸器症状も含めて考えるなら1週間程度の観察が安心です。

面会者の体調確認で押さえたいポイント

発熱、咳、鼻水などの感冒症状や、嘔吐・下痢などの胃腸炎症状がある方には、面会を見合わせていただくのが基本です。ここで有効なのが、受付時に確認する簡単なチェックリストです。

口頭確認だけに頼らず、書面やタブレットで「該当する症状がないか」を面会者自身にチェックしてもらう仕組みにすると、施設側の説明負担が減り、家族側にも「施設全体のルール」として伝わりやすくなります。

あわせて、面会中の利用者ご本人に発熱や症状がある場合の面会継続可否についても、あらかじめ施設内でルールを決めておくと、当日の判断に迷わずに済みます。

手指衛生と面会ルールの工夫

面会者には、来訪時と面会後の手指消毒をお願いしましょう。
入口にアルコール手指消毒剤を設置するだけでなく、「なぜ必要か」を一言添えるポスターや声かけがあると、協力を得やすくなります。

そのほか取り入れたい工夫

  • 短時間・少人数での面会を推奨する:長時間・大人数の面会は接触機会を増やします。目安時間や人数を案内文に明記しておくと、施設側も声をかけやすくなります。
  • 面会者の記録を残す:誰がいつ面会したかを簡易的に記録しておくことで、後日体調不良者が出た際の状況把握や対応がスムーズになります。
  • オンライン面会などの代替手段を用意する:未就学児がいるご家族や、体調に不安がある方には、対面以外の選択肢を用意しておくと「会えない」ではなく「別の形で会える」という前向きな案内ができます。

まとめ

お盆の面会対応は、「制限するか、しないか」の二択ではなく、リスクを見極めながら工夫を重ねることが現場では求められます。未就学児の対応のように、原則と柔軟な例外の両方を用意しておくことで、ご家族の気持ちにも寄り添いながら感染対策を実践できます。会える工夫と、感染を防ぐ工夫は、両立できるはずです。

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