こんにちは。つなぐ感染対策支援室の横山です。
病院に勤めていたときは毎日がむしゃらに働いていたこともあり、自分が何を大切にして感染管理をしているのか、意識できていないときもありました。
4月に開業し、クリニックや歯科医院など様々な医療機関、介護施設の方とお話をする中で、改めて自分が大切にしていることは何かを意識するようになりました。今回は私が相談を受ける中で大切にしていることをお話します。
「相談すると厳しく指摘されるのでは?」という不安
感染対策の相談を始めると、最初はどの施設でも似たような緊張感があります。
「実はできていないことがあって、それが外に知られるのが怖い」「相談したら厳しく指摘されて、現場が混乱してしまうのでは」——そんな不安を抱えたまま、勇気を出して連絡してくださる方が多いと感じています。
また、「自分たちがちゃんとできているのか、できていないのかも、実はよくわかっていない」という声も少なくありません。日々の業務に追われながら感染対策を続けている現場では、立ち止まって現状を客観的に見る余裕がなかなか持てないことも多いと思います。
そういった不安や戸惑いを持ちながらも相談してくださること、私はとても大切なことだと思っています。
指摘すべきことは、きちんと伝えます。ただし「なぜ」をセットで。
誤解のないようにお伝えしたいのですが、リスクのある対応や手順については、しっかりお伝えします。「なんとなく大丈夫」で終わらせることは、私には誠実ではないと感じるからです。
ただ、指摘するときに大切にしていることがあります。それは「なぜリスクがあるのか」「なぜそのリスクのある行為が起きているのか」を一緒に整理することです。
感染対策のエラーは、多くの場合、スタッフの怠慢ではありません。知識が届いていなかった、忙しくて手が回らなかった、そもそも正しい方法が共有されていなかった、など、必ず背景に原因があります。その原因を明らかにしないまま「これはダメです」とだけ伝えても、現場は変わりません。
正論だけを押しつけて施設の現状を否定することは、私がもっとも避けたいことです。
「できない」には理由がある。一緒に考えます。
相談の中でよく聞こえてくるのが、「わかってはいるんですけど、なかなかできなくて……」という言葉です。
人員が少ない、業務が多すぎる、管理職と現場でギャップがある、必要な物品がない——感染対策を改善できない背景には、施設によってさまざまな事情があります。
私が大切にしているのは、「できない原因を一緒に考える」こと、そして「どうすればできるか、現実的な方法を一緒に探す」ことです。
改善の方法も、施設の状況に合わせて提案します。すぐに取り組めることもあれば、準備や体制づくりから始める必要があることもあります。その両方を視野に入れながら、「今できることから始めましょう」という姿勢で関わっています。
また、職種によって感染対策に関する基礎知識の量や背景はさまざまです。医師・看護師・介護士・保育士・事務スタッフ——それぞれの立場や知識量に合わせて、伝え方や提案の仕方を変えることも、私が意識していることのひとつです。
現場の声と、管理者の声。どちらも大切に聴く。
感染対策がうまくいかないとき、現場と管理者の間に温度差があることがよくあります。
「管理者は『ちゃんとやれ』と言うけれど、現場は手が追いつかない」「現場から問題を報告しても、なかなか対応してもらえない」——そういった声は、どちらの立場からも聞こえてきます。
だからこそ、私は現場のスタッフの声も、管理者の声も、どちらも丁寧に聴くことを大切にしています。どちらかだけが正しいということはなく、それぞれの視点から見えているものがあります。双方の話をしっかりと聞いた上で、一緒に現実的な解決策を探していきたいと思っています。
まとめ:「一緒に考える」から始まる感染対策
私が相談で大切にしていることを、あらためてまとめると、こうなります。
- 正論だけを押しつけず、施設の現状を否定しない
- リスクがある場合はきちんと伝え、その理由と背景を一緒に整理する
- できない原因を一緒に考え、現実的な改善策を一緒に探す
- 現場と管理者、それぞれの声をしっかり聴く
感染対策は、「できているか・できていないか」の評価で終わるものではないと思っています。どんな施設にも事情があり、歴史があり、頑張っているスタッフがいます。その現状を一緒に見つめながら、少しずつ前に進んでいけるような関わり方を、これからも続けていきたいと思っています。
「つなぐ感染対策支援室」では、医療・介護・保育施設の感染対策に関するご相談、職員教育、マニュアル・BCP整備のサポートを行っています。
感染管理認定看護師が、現場の状況に合わせてわかりやすくサポートします。
具体的に相談したいことが定まっているご施設、なんとなく課題を感じていてまずは状況の整理から行いたいご施設。それぞれに対応した相談メニューを設けております。
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