香川県を拠点に、医療・介護・保育の現場で、感染対策の相談、職員研修、マニュアル・BCP整備など、現場に合った「無理なく続けられる感染対策」の支援を行う、感染管理認定看護師の横山達也です。
「感染対策担当者はいるけれど、相談できる相手がいない」
「サーベイランスのデータは集めているものの、その先の改善につなげられていない」
「やるべきことが多く、何から優先すればよいのか分からない」
感染対策を担当していると、このような悩みを抱えることがあります。
特に、病棟業務などと感染管理業務を兼務している場合、限られた時間の中でさまざまな課題に対応しなければならず、
「すべて重要に見えて、優先順位を決められない」
という状況になることも少なくありません。
今回は、香川県内の回復期病棟を有する病院から感染対策に関するご相談をいただき、現地で支援を行った事例をご紹介します。
ご相談いただいたのは、院内で感染対策を担当されている感染管理認定看護師の方です。
今回の感染対策支援の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 香川県内の回復期病棟を有する病院 |
| ご相談者 | 感染管理認定看護師 |
| 主な相談内容 | サーベイランス、薬剤耐性菌、手指衛生、汚物処理設備、感染管理業務の優先順位など |
| 支援方法 | ヒアリング+現場ラウンド+ディスカッション |
| 支援の目的 | 課題を整理し、現在の施設で実行可能な対策と優先順位を明確にすること |
今回、私が大切にしたのは、
「新しい対策をたくさん増やすこと」ではありません。
今行っている対策、病院の機能、患者さんの特徴、人員体制などを確認しながら、
「今の病院では何を優先するべきか」
を一緒に整理することです。
ご相談いただいた主な課題
今回のヒアリングでは、複数の課題が挙がりました。
1.感染管理業務に使える時間が限られている
感染管理業務だけを専従で行っているわけではなく、病棟業務との兼務のため、感染対策に充てられる時間には限りがありました。
その中で、
- サーベイランス
- 職員教育
- 手指衛生
- 耐性菌への対応
- 環境整備
- 設備運用
など、多くの課題に対応する必要があります。
感染対策では、改善したいことを挙げていくと際限がありません。
そのため、
「何をやるか」だけではなく、「今は何を優先しないか」まで整理すること
が重要になります。
2.サーベイランスデータをどう活用するか
感染対策上必要なデータを集めていても、
「どのようにまとめればよいのか」
「結果をどのように現場へ返せばよいのか」
「次の改善につなげるには何を見ればよいのか」
と迷うことがあります。
サーベイランスは、データを集めること自体が目的ではありません。
データから自施設の課題を見つけ、感染対策の改善につなげること
が重要です。
今回も、現在行っている取り組みを確認しながら、今後どのように整理・活用していくかについて意見交換を行いました。
3.薬剤耐性菌の検査結果をどう現場の対応につなげるか
培養結果や薬剤耐性菌について、
「どの程度の感染対策が必要なのか」
「現場へどのように伝えるのか」
といった相談もありました。
感染対策では、検査結果だけを見るのではなく、
- 患者さんの状態
- 保菌部位
- 実際に行われているケア
- 周囲への伝播リスク
- 病棟の環境
なども含めて判断する必要があります。
施設の状況を伺いながら、具体的な場面を想定して対応を整理しました。
4.手指衛生の取り組みをどう定着させるか
院内ではすでに手指衛生向上のための取り組みが行われていました。
一方で、
「なかなか行動が変わらない職員へ、どのように働きかければよいか」
という悩みもありました。
感染対策担当者が何度も同じ指導を繰り返していると、担当者自身が疲弊してしまうことがあります。
単に、
「もっと手指消毒してください」
と繰り返すだけではなく、
- 現在どこまでできているのか
- どの場面で実施されにくいのか
- 実施しにくい理由は何か
- 環境面で改善できることはないか
などを整理することが大切です。
今回は現在の取り組みを確認しながら、無理なく継続できる改善方法について一緒に検討しました。
5.新しく導入した汚物処理設備をどう運用するか
新たに導入された汚物処理設備についても、現場を確認しました。
設備は導入しただけで感染対策が改善するわけではありません。
重要なのは、
- どこに物品を置くか
- 使用前後で人や物がどのように動くか
- 汚染物と清潔物が交差しないか
- 職員が迷わず使える運用になっているか
といった、実際の業務との組み合わせです。
そこで病棟ラウンドを行い、実際の動線や物品配置を確認しながら、現場で運用しやすい方法について意見交換しました。
今回行った支援
今回の支援では、主に次のようなことを行いました。
- 感染管理担当者へのヒアリング
- 現在抱えている課題の整理
- 病院機能・患者特性・人員体制を踏まえた優先順位の検討
- サーベイランスの活用方法についての相談
- 薬剤耐性菌への対応に関するディスカッション
- 手指衛生向上に向けた取り組みの整理
- 病棟ラウンドによる設備・物品配置・動線の確認
- 感染管理担当者の意思決定を支える相談相手としてのサポート
ここで重要なのは、
こちらから一方的に「正解」を提示することではありません。
その病院で既に行われている取り組みや、現場で実行できる範囲を確認しながら、
「この病院では、どうするのが現実的か」
を一緒に考えました。
支援前の悩みから、何が整理されたのか
今回の支援を簡単に整理すると、次のようになります。

感染管理認定看護師がいる病院でも、外部相談が役立つ場面があります
今回ご相談いただいた方も、感染管理認定看護師です。
当然、感染対策について高い専門性を持っています。
それでも、自施設の感染対策を一人で客観的に評価したり、多くの課題の中から優先順位を決めたりすることは簡単ではありません。
特に、
- 感染管理業務を兼務している
- 院内に同じ専門資格を持つ相談相手がいない
- 判断の妥当性を誰かと確認したい
- 新しい設備・仕組みを導入した
- 対策を進めているものの成果が見えにくい
といった場面では、外部の専門家と一度整理することが役立つ場合があります。
外部支援というと、
「できていないことを指摘される」
というイメージを持たれるかもしれません。
しかし実際には、
既にできていることを確認することも、外部支援の大切な役割
だと考えています。
今行っている対策の中で、
「これはこのまま続けてよい」
「ここは少し方法を変えた方がよい」
「これは今すぐ優先しなくてもよい」
と整理できれば、限られた時間をより重要な課題に使えるようになります。
感染対策では「やることを増やす」だけが改善ではありません
感染対策を見直すと、
「もっと研修をしなければ」
「もっとチェックしなければ」
「もっとルールを作らなければ」
と、対策を追加する方向へ考えがちです。
しかし、現場で継続できなければ意味がありません。
今回の支援でも大切にしたのは、
現場の負担を増やさず、本当に必要な部分に力を使うこと
でした。
限られた時間と人員の中で感染対策を継続するためには、
「何を始めるか」
だけではなく、
「何をそのまま続けるか」「何を優先しないか」
を決めることも重要です。
実際にご相談いただいた担当者から
今回の支援後には、
- 病院の機能や状況に合わせて感染対策を一緒に考えることができた
- 薬剤耐性菌について実務に直結する具体的な助言が得られた
- 手指衛生について、担当者自身が疲弊しない関わり方も含めて相談できた
- 汚物処理設備の運用について、業務効率化の視点からも意見を得られた
- 判断に迷っていたことについて、安心して対応しやすくなった
といったご感想をいただきました。
ご感想の全文は、別記事でご紹介しています。
このようなお悩みはありませんか?
今回の事例と同じように、
- 感染対策担当者が一人で判断を抱えている
- 感染対策業務に使える時間が限られている
- サーベイランスをしているが改善に活かせていない
- 手指衛生への働きかけに疲れている
- 新しい設備やルールを導入したが、運用に迷っている
- 自施設の感染対策を一度外部の専門家に見てもらいたい
- 何から改善すればよいのか整理できない
ということはないでしょうか。
感染対策の相談は、
「明確な問題が起きてから」だけ行うものではありません。
「なんとなく今のやり方に不安がある」
「優先順位を誰かと整理したい」
という段階でも構いません。
感染対策のお悩み、まずはオンラインで相談してみませんか?
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つなぐ感染対策支援室では、2026年11月から、全国の医療機関・介護施設・保育施設などを対象としたオンライン感染対策相談を開始しました。
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感染管理認定看護師が、施設の状況や現在のお困りごとを伺いながら、
- 今できていること
- 見直した方がよいこと
- これから優先して取り組むこと
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サーベイランスデータの活用、薬剤耐性菌への対応、手指衛生の推進、職員教育など、幅広い感染対策のご相談に対応しています。
具体的な解決策が決まっていなくても構いません。
「まずは誰かに相談してみたい」という段階からでも、お気軽にご利用ください。
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香川県を拠点に中四国・関西圏などへの訪問支援を行うほか、2026年11月からは全国対応のオンライン相談も開始しました。
大切にしているのは、正しい対策を一方的に押し付けるのではなく、それぞれの施設の状況に合わせて「無理なく続けられる感染対策」を一緒に考えることです。
サービスの詳細や料金については、公式ホームページをご覧ください。




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