香川県感染症週報(2026年第20週 5/11〜5/17)のまとめ

感染症流行状況

こんにちは。つなぐ感染対策支援室の横山です。

まだ5月というのに夏のような日差しと気温に、早くもバテ気味になっています。
気温と湿度が上がり、細菌性の食中毒に注意が必要なシーズンとなっています。

食中毒の予防三原則は、原因となる細菌やウイルスを【つけない・ふやさない・やっつける】です。

一般的にお肉を中心まで加熱することは意識されていますが、例えば買い物でお肉やお魚を買ったあと、ほかの買い物をしてしまい、長時間常温環境に置いてしまったり、お肉を調理したまな板や包丁で生食する食材を調理してしまう、といった細かなエラーで食中毒のリスクは高まります。

私の経験上、あまり細かいことを家庭に持ち込むと家庭内のコミュニケーションがギクシャクすることがあるため、神経質になりすぎるのもよくありませんが、特に食中毒の多いこの季節は注意したほうがよいと思います。

さて今日は先週金曜日に発表された香川県感染症週報第20週の要点をまとめました。感染症の流行状況の把握にお役立ていただけると幸いです。
元のデータはこちらからPDF形式で閲覧できます。

感染性胃腸炎が増加傾向 初夏の呼吸器感染症にも注意を

香川県より公表された2026年第20週(5月11日〜5月17日)の感染症週報では、感染性胃腸炎の増加が目立つ結果となりました。さらに、咽頭結膜熱(プール熱)やヘルパンギーナなど、夏季に増えやすい小児感染症も増加傾向がみられています。

医療機関や介護施設では、利用者・患者だけでなく職員間での感染拡大を防ぐため、改めて基本的な感染対策の徹底が重要な時期に入っています。


感染性胃腸炎が増加

今週もっとも報告数が多かったのは「感染性胃腸炎(ウイルス性)」で、定点あたり6.1人となり、前週比158%と増加しました。特に中讃地区では定点あたり8.8人と高い状況です。

年齢別では乳幼児〜学童低学年に多く、0〜4歳での患者報告が目立っています。

施設で改めて確認したいポイント

感染性胃腸炎は、少量のウイルスでも感染が成立しやすく、吐物処理の初動対応が非常に重要です。

特に以下は再確認しておきたいポイントです。

  • 嘔吐時の対応手順を職員全員が理解しているか
  • PPE(手袋・マスク・ガウン)の配置は適切か
  • 次亜塩素酸ナトリウムの希釈方法を把握しているか
  • 吐物処理後の環境清拭が適切に行えているか
  • 「誰が対応するか」が曖昧になっていないか

介護施設では、利用者同士の距離が近いことや共用空間が多いことから、一度広がると集団感染につながりやすい感染症です。


咽頭結膜熱・ヘルパンギーナも増加

咽頭結膜熱は前週比400%、ヘルパンギーナは233%と増加しています。

どちらも乳幼児施設や小児領域で問題になりやすい感染症ですが、職員や家族を介した施設内持ち込みにも注意が必要です。

医療・介護施設で意識したい点

  • 発熱+咽頭痛+結膜症状のある職員への出勤配慮
  • 手指衛生タイミングの再確認
  • 共用タオルの廃止
  • 高頻度接触面の清拭強化
  • 面会者への体調確認

「軽い風邪症状だから大丈夫」と判断されやすい時期ですが、初期対応の遅れが施設内拡大につながることも少なくありません。


呼吸器感染症はライノウイルスが中心

病原体検出情報では、ライノウイルスが多数検出されています。

ライノウイルスは一般的な「かぜ症候群」の原因として知られていますが、高齢者施設では肺炎や食欲低下、ADL低下のきっかけとなることがあります。

また、RSウイルスやヒトメタニューモウイルスも報告されており、季節外れと思われがちな呼吸器感染症にも注意が必要です。


マダニ媒介感染症にも注意

前回の週報から「マダニ媒介感染症に気をつけましょう」との注意喚起が掲載されています。

香川県では毎年、春〜秋にかけてマダニ活動が活発になります。

訪問看護・訪問介護・送迎・屋外レクリエーションなど、屋外活動の機会がある施設では、

  • 長袖・長ズボンの着用
  • 肌の露出を避ける
  • 虫除け剤の使用
  • 帰宅後の皮膚確認

などを職員へ周知しておくことも重要です。
マダニが媒介するSFTSについてはこちらにまとめましたので、併せてご覧ください↓


まとめ

2026年第20週の香川県感染症週報では、

  • 感染性胃腸炎の増加
  • 初夏の小児感染症の増加
  • 呼吸器感染症の継続
  • マダニ媒介感染症への注意喚起

が重要なポイントとなりました。

感染症は「特別な対策」よりも、「基本を継続できる仕組み」が重要です。

忙しい時期ほど、

  • 手指衛生
  • PPE着脱
  • 環境整備
  • 体調不良時の対応

といった基本を改めて見直してみましょう。


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