香川県感染症週報(2026年第22週:5/25~5/31)ヘルパンギーナが前週比450%増加|医療・介護・保育施設が今すぐ確認したい感染対策

感染症流行状況

こんにちは。つなぐ感染対策支援室の横山です。

朝から気温は高くないけどジメジメムシムシする梅雨が始まりました。私が住んでいる香川県は降水量が少なく、大きな河川もない地域で昔から水不足に悩まされがちな地域です。学生時代に住んでいた岡山はそこら中に捨てるほど水が流れていて、軽いカルチャーショックを受けた記憶があります。

雨が降らないならカラッと湿度低めにしてほしいところですが、ジメジメした空気は等しく香川県にも充満しています。
気温が高くないからと作り置きした料理を長時間室温に放置すると、細菌が繁殖し食中毒を起こしやすくなるため、気を抜かず食品の管理は厳重にしましょう。
食中毒予防の情報は厚生労働省のサイトにわかりやすい資料がまとめられているので、参考にしてください。

さて今週も最新の香川県感染症週報をまとめてみました。元データは香川県感染症対策課のホームページに公開されているので、併せてご参照ください。


1. 今週の全体像

報告患者総数は前週より約21人増加し128人となりました。ヘルパンギーナが前週の4倍以上に急増しており、乳幼児施設では特に注意が必要です。また全数把握では4類感染症(SFTS・日本紅斑熱・レジオネラ症)の届出があり、マダニ媒介感染症・水系感染症への対策が引き続き重要です。


2. 定点把握感染症の動向

今週の定点把握感染症(患者定点からの法定届出疾病)の上位疾患は下表のとおりです。

全体的に小児感染症が増加傾向にあります。感染性胃腸炎(ウイルス性)は今週も「やや流行」状態が継続しており、感染経路対策が引き続き重要です。A群溶レン菌咽頭炎は前週より減少しましたが、依然として散発的な発生が見られます。


3. 今週もっとも注目すべき動向:ヘルパンギーナの急増

🔴 ヘルパンギーナ 前週比450%の急増

定点あたり患者数が0.2人(前週)から0.7人(今週)へ急増。高松市(1.0人/定点)と中讃地区での報告が目立ちます。年齢別では1歳児(6人)、乳児(2人)への集中が確認されています。

ℹ️ ヘルパンギーナとは

ヘルパンギーナはコクサッキーウイルスA群(主にA型)などのエンテロウイルスによる急性ウイルス性咽頭炎です。突然の高熱(39〜40℃)と口腔内・咽頭後部への水疱・潰瘍が特徴で、乳幼児に多く見られます。飛沫感染・接触感染・糞口感染で広がります。

例年6〜8月が流行のピークであり、今週のデータは例年より早期の立ち上がりを示している可能性があります。過去10年平均(0.9人/定点)に近づきつつあり、今後の動向に注意が必要です。手足口病との同時流行もあり得ることから、乳幼児施設では手洗いの徹底とおむつ交換後の消毒を改めて確認してください。

また、手足口病も前週比175%と増加しており、同じエンテロウイルスが原因のため、夏季にかけてこれら「夏の三大小児感染症(ヘルパンギーナ・手足口病・咽頭結膜熱)」の同時流行が見込まれます。


4. 病原微生物検出情報

今週の病原微生物検出では、細菌の検出はありませんでした。ウイルスは以下のとおりです。

CRE(カルバペネム耐性腸内細菌目細菌)の耐性遺伝子検出情報は今週「なし」でした。


5. 今週の気象との関係

今週の平均気温は19.7℃と、過去30年の平均(21.2℃)を約1.5℃下回りました。梅雨入り前後の不安定な気候が続いており、体温調節が難しい乳幼児や高齢者では免疫機能が低下しやすい環境です。

気温が20℃前後のこの時期はエンテロウイルス系(ヘルパンギーナ・手足口病)の活動が活発化し始める境界期にあたります。湿度66.3%はノロウイルスなどのウイルス性胃腸炎には比較的リスクが低い値ですが、アデノウイルスやライノウイルスは湿度の影響を受けにくく、通年で注意が必要です。

ℹ️ マダニ活動期に注意(SFTS・日本紅斑熱との関連)

気温が15℃以上になるとマダニが活発化します。今週のSFTS(小豆)・日本紅斑熱(高松)の届出は、野外活動が増えるこの季節を反映していると考えられます。今後も6〜8月にかけて届出が増える可能性があります。職員への啓発(草むらでの肌露出回避・長袖長ズボン・忌避剤使用)を行いましょう。


6. 施設種別の対応ポイント

今週のデータをもとに、施設種別に優先して取り組むべき対応をまとめました。


おわりに

今週の香川県感染症週報では、ヘルパンギーナの急増(前週比450%)をはじめ、レジオネラ症・SFTS・百日咳など、施設によってはすぐに対応が必要な情報が複数含まれていました。

感染症の流行は週ごとに変化します。週報のデータを「読むだけ」で終わらせず、自施設の状況と照らし合わせて「今、何をすべきか」に落とし込むことが、集団感染の予防につながります。


「感染対策のことは気になっているけれど、何から手をつければいいかわからない」
「マニュアルはあるけれど、実態に合っているか自信がない」
「職員への教育をもっと充実させたいが、時間も人手も足りない」

そのようなお悩みを抱えている方は、ぜひ一度つなぐ感染対策支援室にご相談ください。

当室は、急性期医療機関での15年の臨床経験と感染管理認定看護師の専門知識をもとに、医療機関・介護施設・保育施設・歯科診療所など、さまざまな施設の感染対策をサポートしています。「難しい」「堅苦しい」ではなく、現場の実情に寄り添いながら、一緒に考えるスタイルで支援いたします。

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