【香川県】インフルエンザとマイコプラズマ肺炎が増加|2026年第37週の感染症動向

感染症流行状況

最終更新:2026年9月21日
対象期間:2026年第37週(9月7日〜9月13日)

香川県を拠点に、医療・介護・保育の現場で、感染対策の相談、職員研修、マニュアル・BCP整備など、現場に合った「無理なく続けられる感染対策」の支援を行う、感染管理認定看護師の横山達也です。

最近、1歳8か月の娘の語彙力が爆発しており、いろいろな言葉を話すようになってきました。
日々の成長が楽しみではありますが、言葉の獲得に重要な時期であることを鑑み、私も妻も、日々の言葉遣いに気を付けるようになりました(結構口が悪い)。
親が気を付けたところで、外の世界でいろいろ学習するので、あまり意味はないかもしれませんが、どちらにしても言葉のもつ意味をしっかり考えて話すことができる大人になってほしいです。

さて、香川県が公表した2026年第37週の感染症週報では、県内のインフルエンザが35人、定点あたり1.5人となり、前週の1.3人からさらに増加しました。

また、マイコプラズマ肺炎は小児科定点で定点あたり1.2人、基幹定点で3.0人となり、いずれも前週から大きく増えています。特に小豆地区に報告が集中しています。

この記事では、香川県感染症週報2026年第37週をもとに、県内の感染症動向と、医療・介護・保育施設で確認したい対策を解説します。

今週から、この感染症週報のまとめ記事は、ひとつの記事を毎週書き換える形で更新していくことにしました。
ブログ内において、感染症週報まとめ記事が多くなり、記事の整理や検索性に難点が出てきたため、この対応にして様子を見ることにしました。

しばらく様子を見て、具合が悪ければまた方法を変えるかもしれませんが、毎週月曜(感染症週報の発表が遅れた場合は月曜以降になります)に最新データを解説することに変わりはありませんので、今後もよろしくお願いします。


1. 今週の全体像

2026年第37週の新型コロナウイルス感染症を含む定点把握感染症の報告患者総数は202人でした。前週の167人に対して121.0%となり、35人増加しています。

今週のポイントは次のとおりです。

  • インフルエンザは35人、定点あたり1.5人で、前週比112.9%
  • 感染性胃腸炎(ウイルス)は56人、定点あたり4.3人で最多
  • 小児科定点のマイコプラズマ肺炎は16人、定点あたり1.2人で、前週比400.0%
  • 基幹定点のマイコプラズマ肺炎も15人、定点あたり3.0人へ増加
  • RSウイルス感染症は10人、hMPVは7人へ増加
  • 新型コロナウイルス感染症は25人、定点あたり1.1人で、前週よりわずかに減少

急性呼吸器感染症(ARI)全体の報告は844人、定点あたり36.7人でした。前週の38.1人からは減少していますが、小豆地区57.5人、中讃地区46.0人は県平均を上回っています。

定点あたり報告数は、指定された定点医療機関からの報告をもとにした値です。県内すべての患者数そのものではなく、流行の傾向を見るための指標として確認してください。


2. 定点把握感染症の動向

今週の上位疾患は以下のとおりです。

感染性胃腸炎、インフルエンザ、マイコプラズマ肺炎、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎が前週より増加しました。新型コロナウイルス感染症はわずかに減少しています。


3. インフルエンザは流行入り後も増加

香川県内のインフルエンザは35人、定点あたり1.5人でした。前週の1.3人から増加し、前週比は112.9%です。

直近6週間の推移は次のとおりです。

定点あたり報告数
第32週0.1人
第33週0.3人
第34週0.6人
第35週1.0人
第36週1.3人
第37週1.5人

6週連続で増加し、流行開始の目安となる定点あたり1.0人を3週連続で上回っています。

地区別の報告状況

地区報告数定点あたり報告数
高松市24人2.4人
小豆2人1.0人
東讃5人2.5人
中讃4人0.6人
西讃0人0.0人

東讃地区が定点あたり2.5人、高松市が2.4人で、県平均を上回っています。前週に県平均を上回っていた中讃地区は0.6人へ減少しており、週によって地域差が変化しています。

乳幼児から高齢者まで幅広く報告

年齢区分報告数
0〜14歳13人
15〜59歳9人
60歳以上13人
合計35人

子どもと60歳以上がそれぞれ13人で、幅広い年代から報告されています。学校や保育施設だけでなく、家庭、職場、医療機関、介護施設でも注意が必要です。


4. 今すぐ徹底したい基本的な感染対策

咳や感冒症状がある場合はマスクを着用する

咳やくしゃみがある場合は、マスクの着用を含む咳エチケットを実践しましょう。マスクを着用できない場面では、ティッシュや腕の内側で口と鼻を覆い、その後に手指衛生を行います。

こまめに手洗いまたは手指消毒を行う

食事前、鼻をかんだ後、咳やくしゃみを手で覆った後、共用物品に触れた後などは、手洗いまたは手指消毒を行いましょう。手が目に見えて汚れている場合は、石けんと流水による手洗いが基本です。

人が集まる場所では換気を行う

待合室、食堂、談話室、保育室、教室などでは、定期的に換気を行いましょう。職員休憩室や更衣室も忘れずに確認します。

高頻度接触面を定期的に清拭する

ドアノブ、手すり、テーブル、スイッチ、蛇口、玩具など、多くの人が触れる場所を定期的に清拭します。対象物に消毒薬を使用する場合は、材質や病原体に適した製品を選び、製品表示に従って使用してください。

対策を呼びかけるだけでなく、担当者、実施頻度、使用物品、確認方法を決め、実行できているかを管理することが大切です。


5. マイコプラズマ肺炎が大きく増加

小児科定点

小児科定点のマイコプラズマ肺炎は16人、定点あたり1.2人で、前週の0.3人から4倍になりました。16人のうち13人が小豆地区からの報告で、小豆地区は定点あたり13.0人です。

基幹定点

基幹定点では15人、定点あたり3.0人で、前週の0.2人から大きく増加しました。15人はすべて小豆地区からの報告です。

小児科定点と基幹定点は報告区分が異なるため、両者の報告数を単純に合算することはできません。また、小豆地区は小児科定点・基幹定点がそれぞれ1医療機関であるため、定点あたり報告数が大きく変動しやすい点にも注意が必要です。

長引く咳、発熱、倦怠感などがみられる場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。施設内では、咳のある人のマスク着用、換気、手指衛生、職員の健康管理を徹底します。


6. 感染性胃腸炎が引き続き最多

感染性胃腸炎は全体で57人、定点あたり4.4人でした。このうちウイルス性は56人、定点あたり4.3人で、前週の3.8人から増加しています。細菌性は1人でした。

地区別では、小豆地区が定点あたり11.0人、中讃地区が7.8人、東讃地区が4.0人で、県平均を上回っています。

保育施設や家庭では、おむつ交換後やトイレ介助後の石けんと流水による手洗い、嘔吐物・便の適切な処理、タオルの共用回避、調理・配膳担当者の健康管理を確認しましょう。


7. RSウイルス感染症とhMPVも増加

RSウイルス感染症

RSウイルス感染症は10人、定点あたり0.8人で、前週の0.6人から増加しました。報告された10人は全員1歳以下です。

乳児は重症化することがあるため、呼吸が苦しそう、哺乳量が減っている、顔色が悪い、活気がないなどの様子があれば、早めの受診につなげましょう。

ヒトメタニューモウイルス感染症(hMPV)

hMPVは7人、定点あたり0.5人で、前週の0.2人から増加しました。7人全員が6歳以下で、中讃地区からの報告です。

保育施設では、呼吸器症状がある子どもの状態観察、手洗い、換気、玩具や共用物品の清掃を確認しましょう。


8. 新型コロナウイルス感染症はわずかに減少

新型コロナウイルス感染症は25人、定点あたり1.1人で、前週の1.2人から減少しました。前週比は89.3%です。

地区別では、西讃地区が定点あたり2.0人、高松市1.1人、小豆・中讃地区1.0人、東讃地区0.5人でした。すべての地区から報告があります。

県全体では減少していますが、流行が終わったわけではありません。インフルエンザなどと症状だけで区別することは難しいため、発熱や咳などがある場合は、周囲へ広げない行動を取りましょう。


9. 全数把握感染症の届出状況

1類感染症と4類感染症の届出はありませんでした。これらは診断後に届け出られた件数であり、週報だけで感染場所、原因食品、施設との関連を判断することはできません。

「侵襲性インフルエンザ菌感染症」は細菌による感染症で、季節性インフルエンザとは別の感染症です。

腸管出血性大腸菌感染症への対策として、肉類は中心部まで十分に加熱し、生肉に使用した箸・トング・包丁・まな板を、加熱後の食品や生食する食材に使用しないようにしましょう。

梅毒に関してはコロナ禍が下火になっていくに従い、罹患者の増加が問題視されていました。主な罹患者層は男性は幅広い年代、女性は若い世代を中心としています。
この辺りは扱いにくいかもしれませんが、中学生や高校生からの適切な教育が必要な側面もあると考えています。学生向けの性感染症についても講義ができるので、お困りの担当者の方がいらしたら、ぜひ一度ご相談ください。


10. 病原微生物検出情報

細菌の検出報告はありませんでした。ウイルスでは、西讃地区の検体から次の病原体が検出されています。

  • パラインフルエンザウイルス1型:咽頭検体、不明熱
  • パラインフルエンザウイルス3型:咽頭または鼻咽頭検体、急性呼吸器感染症(3検体)
  • SARS-CoV-2およびライノウイルス:咽頭検体、急性呼吸器感染症

薬剤耐性菌遺伝子の検出報告はありませんでした。

病原微生物検出情報は限られた検体に基づきます。また、検体採取日は8月31日から9月2日であり、第37週の患者発生状況を直接示すものではありません。


11. 今週の気象

第37週の平均気温は25.5℃で、過去30年平均の25.8℃とほぼ同じでした。平均湿度は82.3%です。

気温が下がり始めても、室内の換気を継続しましょう。冷房の使用が減る時期は、窓開けや換気設備の稼働状況を改めて確認する機会になります。


12. 施設種別の対応ポイント

医療機関・診療所

  • 受付時に発熱、咳、感冒症状を把握し、必要に応じて待機場所や診察動線を調整する
  • 長引く咳がある場合は、インフルエンザや新型コロナだけでなくマイコプラズマ肺炎も念頭に置く
  • 咳や感冒症状がある人へ、マスクの着用を含む咳エチケットを案内する
  • 待合室や診察室を定期的に換気する
  • 職員の体調確認と、体調不良時に休める体制を確認する

介護施設

  • 利用者と職員の発熱・咳・消化器症状を早期に把握する
  • 面会者へ体調確認、手指衛生、咳エチケットを案内する
  • 共用スペース、職員休憩室、更衣室を定期的に換気する
  • 手すり、ドアノブ、テーブルなどの高頻度接触面を定期的に清拭する
  • 複数人に症状がみられた際の報告先と初動対応を確認する

保育施設・こども園・学校・病児保育

  • 欠席者数と、発熱・咳・下痢・嘔吐などの症状を継続して把握する
  • 長引く咳がみられる子どもについて、保護者と情報を共有する
  • 食事前、トイレ後、鼻をかんだ後は、石けんと流水で手を洗う
  • 保育室や教室を定期的に換気する
  • 玩具、ドアノブ、テーブル、スイッチ、蛇口などを定期的に清拭する

次回の週報公表予定

香川県感染症週報第38号は、2026年9月29日(火)に公表予定です。第39号からは、通常どおり毎週金曜日に公表される予定です。


おわりに

2026年第37週、香川県内ではインフルエンザの流行が続き、マイコプラズマ肺炎の報告も大きく増加しました。新型コロナウイルス感染症はわずかに減少していますが、すべての地区から報告があります。

まずは、咳エチケット、手洗い・手指消毒、換気、健康管理を継続しましょう。介護施設や保育施設では、感染症の発生状況を職員間で共有し、高頻度接触面の清拭や複数人発生時の初動まで含めて管理することが大切です。

「施設の対応手順を確認したい」「職員へ基本的な感染対策をわかりやすく伝えたい」「複数人に症状が出たときの初動に不安がある」というときは、つなぐ感染対策支援室へお気軽にご相談ください。

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更新履歴

  • 2026年9月18日:2026年第37週(9月7日〜9月13日)の情報へ更新
  • 2026年9月11日:2026年第36週(8月31日〜9月6日)の情報へ更新

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