香川県感染症週報2026年第31号(7/27〜8/2)解説|新型コロナとhMPVが増加、手足口病警報は継続

感染症流行状況

こんにちは、つなぐ感染対策支援室の横山です。

一歳の娘が一か月に一回くらいのペースで何らかの感染症に罹っています。そのうち二回に一回のペースで私も何らかの感染症に罹っています。娘は3日ほど高熱が続いて、あとは喘鳴を響かせながらもケロッと元気になりますが、私の場合、熱は出ませんが倦怠感と咳が長続きします。喘鳴はもっと続きます(もともと呼吸器が弱い)。

子どものいない期間はまるでクリーンルームにでも入っていたのかな?と思うくらい、風邪をひきませんでしたが、やはり世の中は何らかの感染症だらけだなと思いました(当たり前です)。

現在は何か問題になる感染症が大流行しているという状況ではありません。
こういうときに、感染対策マニュアルの見直しや、スタッフの教育など「備える」対策を強化するのによいと考えます。

また、日頃の感染症の流行状況をざっくりでもよいので把握しておくと、流行の入り口に気づきやすくなります。ぜひこのレポートのまとめ記事を役立てていただけると幸いです。

では、今週も始めましょう。


香川県が公表した2026年第31週(7月27日〜8月2日)の感染症週報では、新型コロナウイルス感染症を含む定点把握感染症の報告患者総数が246人となり、前週の208人から18.3%増加しました。

今週は、新型コロナウイルス感染症ヒトメタニューモウイルス感染症(hMPV)が増加しています。また、感染性胃腸炎(ウイルス)も増加し、定点あたり4.8人で今週の最多疾患となりました。一方、手足口病は減少していますが、流行警報は継続中です。

この記事では、香川県感染症週報2026年第31週をもとに、今週の特徴と施設で確認したい感染対策をわかりやすく解説します。


1. 今週の全体像

2026年第31週の定点把握感染症の報告患者総数は246人で、前週の208人に対して118.3%となりました。前週から38人、割合にして18.3%の増加です。

今週のポイントは次の5点です。

  • 感染性胃腸炎(ウイルス)は定点あたり4.8人となり、前週比123.5%に増加
  • 新型コロナウイルス感染症は定点あたり2.0人から3.1人へ増加
  • ヒトメタニューモウイルス感染症(hMPV)は定点あたり0.5人から1.2人へ増加
  • 手足口病は定点あたり3.2人から2.5人へ減少したものの、流行警報は継続
  • 全数把握感染症では、腸管出血性大腸菌感染症が高松市から3件届出

急性呼吸器感染症全体の定点あたり報告数も、前週の36.5人から39.9人へ増加しています。新型コロナだけに注目するのではなく、発熱や咳などの呼吸器症状を早期に把握できる体制を確認しておきましょう。

定点あたり報告数は、県内すべての患者数ではなく、指定された定点医療機関からの報告をもとにした値です。実際の患者数そのものではなく、流行の傾向を見るための指標として確認してください。


2. 定点把握感染症の動向

今週の上位5疾患は以下のとおりです。

上位5疾患のうち、感染性胃腸炎(ウイルス)、新型コロナウイルス感染症、ヒトメタニューモウイルス感染症が増加しました。一方、手足口病とヘルパンギーナは減少しています。


3.呼吸器感染症の動向: 新型コロナとhMPVが増加

新型コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症は71人の報告があり、定点あたり報告数は前週の2.0人から3.1人へ増加しました。前週比は151.1%です。

地区別では、東讃地区が定点あたり5.0人、小豆地区が4.5人、中讃地区が3.4人、西讃地区が2.5人、高松市が2.3人でした。今週は県内のすべての地区から報告があります。

ヒトメタニューモウイルス感染症(hMPV)

ヒトメタニューモウイルス感染症は16人、定点あたり1.2人で、前週の0.5人から増加しました。前週比は228.6%で、2倍を超えています。

年齢別では、16人のうち13人が2歳以下でした。地区別では東讃地区が定点あたり4.0人、西讃地区が2.0人、中讃地区が1.3人、高松市が0.8人で、小豆地区からの報告はありませんでした。

厚生労働省は、新型コロナの予防策として、マスクの着用を含めた咳エチケット、手洗い・手指消毒、換気などを示しています。

医療機関、介護施設、保育施設では、疾患ごとに対策を増やす前に、次の基本的な仕組みが機能しているか確認しましょう。

  • 職員・利用者・子どもの発熱や呼吸器症状を早期に把握できているか
  • 症状がある人のマスク着用や待機場所、動線を調整できるか
  • 居室、待合室、保育室、職員休憩室などの換気が確保されているか
  • ケア内容に応じて必要な個人防護具を選択できているか

4. 感染性胃腸炎が増加、腸管出血性大腸菌感染症も3件届出

感染性胃腸炎(ウイルス)は63人、定点あたり4.8人で、前週の3.9人から増加しました。地区別では、小豆地区が10.0人、東讃地区と中讃地区がそれぞれ6.0人、高松市が3.8人、西讃地区は0人でした。

また、全数把握感染症では、腸管出血性大腸菌感染症が高松市から3件届け出られています。

定点把握の「感染性胃腸炎(ウイルス)」と、全数把握の「腸管出血性大腸菌感染症」は別の感染症です。週報だけで個別事例の感染経路や原因食品を判断することはできませんが、下痢や嘔吐、血便などの症状を早期に把握し、排泄物の取り扱いと食品衛生を見直す必要があります。

厚生労働省の腸管出血性大腸菌Q&Aでは、腸管出血性大腸菌は75℃で1分間以上の加熱によって死滅するとされています。食肉は中心部まで十分に加熱し、生肉を扱う箸・トング・まな板と、加熱後の食品や生食する食材に使う器具を分けましょう。

高齢者や乳幼児など、抵抗力の弱い人が利用する施設では、肉の生食や加熱不十分な料理を避けることが大切です。


5. 手足口病は減少も流行警報が継続

手足口病は32人の報告があり、定点あたり報告数は前週の3.2人から2.5人へ減少しました。前週比は76.2%です。

地区別では、東讃地区と中讃地区が定点あたり4.0人、高松市が2.0人で、小豆地区と西讃地区は0人でした。報告数は減少していますが、県内の流行警報は継続しています。

年齢別では、32人のうち1歳が14人と最も多く、2歳以下を合わせると25人で、全体の約8割を占めます。

厚生労働省の手足口病に関する情報では、流水と石けんによる手洗い、タオルの共用を避けること、排泄物を適切に処理することが勧められています。

症状が治まった後も便からウイルスが排出される期間があるため、登園再開後も、おむつ交換やトイレ介助後の手洗いを丁寧に続けることが重要です。

ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナは29人、定点あたり2.2人で、前週の2.9人から減少しました。ただし、小豆地区では定点あたり5.0人、東讃地区は2.0人、中讃地区と西讃地区は3.0人となっています。

発熱やのどの痛みによって水分が取りにくくなる場合があります。発熱の有無だけでなく、水分摂取量、尿量、活気なども丁寧に観察しましょう。

手足口病・ヘルパンギーナなどの特徴や具体的な対策は、こちらの記事にもまとめています。

【保育施設向け】今、流行している三大夏かぜ―手足口病・ヘルパンギーナ・プール熱


6. 全数把握感染症の届出状況

今週届け出られた全数把握感染症は以下のとおりです。

カルバペネム耐性腸内細菌目細菌(CRE)感染症の届出があることから、医療機関では検査結果の確実な情報共有、手指衛生、患者周辺環境の清潔保持、必要に応じた接触予防策など、基本的な薬剤耐性菌対策を確認しましょう。


7. 病原微生物検出情報

コクサッキーウイルスA6とSARS-CoV-2は、同じ咽頭検体から検出されています。また、パレコウイルス3型の2検体は、同一患者から採取された血液と髄液です。検体数と患者数が一致しない場合があることに注意してください。

病原微生物検出情報は限られた検体に基づくため、県内で流行するすべての病原体の割合を示すものではありません。


8. 今週の気象と感染対策

第31週の平均気温は32.3℃で、過去30年平均の28.9℃を3.4℃上回りました。平均湿度は59.6%です。

気温が高い時期は、購入した食品を長時間持ち歩かない、冷蔵品は早めに冷蔵庫へ入れる、調理済み食品を室温に放置しないなど、温度管理を意識することが重要です。

感染対策と同時に、職員や利用者、子どもの熱中症にも注意が必要です。換気のために窓を開ける場合も、室温を確認しながら冷房を併用し、「換気」と「暑さ対策」を両立させましょう。


9. 施設種別の対応ポイント


おわりに

今週は、定点把握感染症の報告患者総数が前週より18.3%増加しました。新型コロナウイルス感染症とヒトメタニューモウイルス感染症が増え、感染性胃腸炎(ウイルス)も今週の最多疾患となっています。

一方、手足口病とヘルパンギーナは減少しましたが、手足口病の流行警報は継続中です。また、腸管出血性大腸菌感染症の届出もあり、呼吸器感染症、乳幼児の夏かぜ、胃腸炎・食中毒対策を並行して確認する必要があります。

複数の感染症が同時にみられる時期こそ、病名ごとに複雑なルールを増やすのではなく、症状の早期把握、手洗い、換気、排泄物の適切な処理、食品の十分な加熱といった基本対策が現場で続けられているかを確認することが大切です。

「現在のマニュアルで対応できるか確認したい」

「職員に今の流行状況をわかりやすく伝えたい」

「対策を増やしすぎず、施設に合った方法を一緒に考えてほしい」

そのようなときは、つなぐ感染対策支援室へお気軽にご相談ください。

医療機関、介護施設、保育施設など、それぞれの現場の人員・設備・業務に合わせて、無理なく続けられる感染対策を一緒に考えます。

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詳しくは下記の記事をご覧ください。

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