こんにちは。つなぐ感染対策支援室代表の横山です。
気づけば5月も半ばになり、開業からあっという間に1ヶ月半が経ちました(1ヶ月の区切りは気づけば過ぎていた)。この間、ご縁をいただいた施設や事業所の方から多くの学びや知見をいただき、とても刺激的な時間を過ごしました。
しかし、まだまだこの事業の認知は進んでおらず、施設の担当者とお会いすることが難しい、という経験もしてきました。そもそも、感染対策の相談や支援を専門に行う事業そのものが香川県では初めてであること、というか中四国、九州エリアを含めても初めてであることを鑑みると、多くの方に知っていただくためには、もっと情報発信をしていかなければならない、という思いを新たにしました。
今回は、私がこの事業を始めるに至った経緯について、簡単にまとめました。
誰得な情報かはわかりませんが、コーヒーブレイクのお供くらいの感覚でお読みください。
出会いは、保健所実習だった
大学時代、保健師の資格取得のカリキュラムの一環として保健所での実習がありました。そこで出会ったのが、「予防」の力です。
病院では、すでに病気になった方を診る。でも保健所では、病気にならないための働きかけをしている。その違いが、当時の私には強烈な印象として残りました。「病気を治す」だけでなく、「病気にならない社会をつくる」こと——そこに看護師・保健師としての大きな意義を感じた瞬間でした。
急性期病棟での15年、感染症への興味が芽生える
大学卒業後は、香川県内の急性期病院で病棟看護師として勤務しました。日々、患者さんのそばで働くなかで、呼吸器疾患に強い関心を持つようになり、呼吸療法認定士の資格を取得しました。
その学習の過程で、抗菌薬の選択や作用機序を学びました。感染症は、適切な治療やケアを提供できなければ、患者さんを重症化させてしまう。そのリアルを現場で目の当たりにしながら、感染症治療への興味が深まっていきました。
コロナ禍が、転機をもたらした
転機となったのはコロナ禍です。感染対策の重要性が社会全体で問われるなか、私は感染管理認定看護師の資格を取得することとなりました。
資格取得の学びのなかで、大学時代に感銘を受けた「予防的な活動」の重要性を、あらためて強く実感しました。感染症は治療するだけでなく、広げない・持ち込まない・持ち出さないための組織的な取り組みが不可欠ということを学びました。
院内感染管理者として気づいたこと
資格取得後は、病院の院内感染管理者として活動しました。職員向けの教育や、感染発生時のリスクコミュニケーション、感染状況を把握するためのサーベイランス活動など、病院全体を横断する業務を担いました。
その活動のなかで、私が特に興味を持ったのが行動変容のプロセスでした。「正しい知識を伝えれば人は動く」というのは幻想で、実際には行動に至る「仕組み」がとても重要です。そこで行動経済学を学び、感染対策の現場に応用することで、職員の行動が少しずつ変わっていく手ごたえを感じました。
「病院の外」にも、感染対策を必要としている人たちがいた
院内での活動と並行して、介護施設や歯科診療所など、病院以外の組織から感染対策の相談を受ける機会も増えていきました。
そこで気づいたことがあります。感染管理の専門家は病院には存在しているけれど、介護の現場や地域の診療所には、相談できる専門職がなかなかいない。感染対策が必要なのは病院だけではなく、地域全体なのだと、肌で感じるようになりました。
実際に地域で機動的に活動している感染管理認定看護師はいるのか、いろいろ調べると北海道のimpサポートセンターを発見しました。最初はホームページやブログを読んでどんな活動をしているのか、こっそり見ていましたがある日、意を決して代表の伊藤さんに連絡をしてみました。
伊藤さんは起業に至る経緯やノウハウを丁寧に教えていただきました。感染対策で地域社会を支える伊藤さんの姿勢に大きな感銘を受け、私の開業への決意は決定的なものとなりました。
平時こそ、感染対策を見直す好機
コロナ禍が落ち着き、感染対策への社会的な関心がひと段落した2026年。私はむしろ、今こそが感染対策を見直す絶好のタイミングだと考えました。
緊急時は「とにかく対応する」で精一杯になりがちです。でも平時だからこそ、マニュアルを整備する、スタッフ教育を丁寧に行う、BCPを見直す——そういった地道な準備ができる。その積み重ねが、次の感染症流行のときに必ず生きてきます。
「つなぐ感染対策支援室」を開業した理由
こうした経験と思いを胸に、2026年4月、香川県高松市を拠点とした感染対策の相談・支援事業「つなぐ感染対策支援室」を開業しました。
対象は、医療機関だけではありません。介護施設、保育施設、歯科診療所など、地域で働くすべての方に感染対策の知識とサポートが届くよう活動していきます。
事業内容は次の3つです。
- 感染対策の相談対応:現場の疑問や困りごとに、専門家の立場から丁寧にお答えします
- 職員教育:現場のスタッフに合わせた研修・勉強会を企画・実施します
- マニュアル・BCP整備のサポート:現場で使える実践的なマニュアルづくりをお手伝いします
感染対策の専門家がいない施設でも、「相談できる人がいる」という安心感が、日常の感染対策を底上げします。そのような存在でありたいと思っています。
感染対策で困ったとき、まず思い浮かべてもらえる場所に。地域の感染対策を「つなぐ」支援室として、これからどうぞよろしくお願いいたします。
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